【LAS人】こんなアスカは大好きだ!10【専用】
380氏
380 名前:1/2 投稿日:2006/05/29(月) 01:11:05 ID:???
いきなりでなんだが、怪しい通販で、シンジは『もしもボックス』を購入した。

「・・・あんたって、本気でバカ? こんなのインチキに決まってるじゃない」
「いいじゃないか、僕のおこづかいで買ったんだから。面白そうだろ?」
「どこが」
「ちぇっ。とにかく、試してみないと。ええと・・・。『もしもアスカが、”みゅー”しか喋れなかったら』」
「は?! ちょっと、なんて試し方よこのバカシンみゅー」

沈黙。

「ぅみゅ?」
「うわ。本物なんだ・・・」
「みゅー、みゅー。・・・・・・っっっ!! みゅー!!」
「ジリリリ、て音は鳴らないんだね」
「みゅー! みゅー!」
「はは、これだとアスカが怒ってても全然怖くないや」
「みゅー!!」ドカバキボコ
「痛いのはいっしょだけど」
「ふみゅーー!!」メキグシャポキ
「・・・と、とにかく元に戻、そう・・・」

でその夜。
同居人二人が寝たのを見計らって、とりあえず居間におかれた『もしもボックス』に近づく細いシルエット。ぶっちゃけアスカ。
緊張に高まる鼓動を抑え、そっと受話器に手を伸ばす。気配も声も忍ばせて。いざ。


「『もしもシンジが、あたしの事を―――』」

381 名前:2/2 投稿日:2006/05/29(月) 01:13:23 ID:???
しかし、翌朝を迎えても丸一日経っても、アスカを取り巻く世界には何の変化も見られないまま。

「・・・ねーシンジ。アレやっぱりインチキだったんじゃない?」
「なに言ってんだよ。みゅーしか言えなくなってたの、アスカじゃないか」
「そりゃ、まぁそうなんだけどさ」
「あ、でも、あんまり無茶な要求はできないんだって」
「ム・・・ムチャ・・・?」
「ひょっとして、何か試してみたの?」
「・・・ぅ・・・ぅ・・・」
「??」
「うみゃーーーーっっっ!!!!」
「えぇ、なに?! いた、痛いよアスカ!」

暴れ狂うアスカ。意味も分からず逃げ回るシンジ。
少女が何を願ったのか、なんで何も起こらなかったのか。
結局、それらの正しい解を二人が得るのは、まだこの先の出来事となる。
けどあと、ほんのちょっとで辿りつく未来。

(おしまい)