【LAS人】こんなアスカは大好きだ!11【専用】
965氏
965 名前:名無しが氏んでも代わりはいるもの 投稿日:2007/02/14(水) 00:36:33 ID:???
「シンジ!一つ頼まれてほしいのだけど!」
「な、何だよ急に!」

スパーンと襖を開けるアスカさん、シンジ君のプライベートなぞ知ったこっちゃあり
ません

「現時刻を持って第213プロテクトを解除、キッチンへの侵入を許可します」
「え?ああ、もう良いの?」
「アンタを部屋に隔離したのは失敗だったわ、過程よりも結果を出すべきだったのよ
…」

シンジ君が部屋を出て(連れ出されて)キッチンに向かうと、そこはじごくでした。

なんと言うか、挑戦者の無念とか何か色々が入り混じったカオスです。
ペンペンは異常を感じ取ってか、自身の根城に立てこもっています。

「うわぁ・・・」
「うわぁ・・・とは何よ失礼ね、これは天才も時に成功しないという貴重な実例なの
よ!」
「・・・ね、何でチョコが壁に付いてるのさ・・・?」

失敗した、と言わないアスカさんのプライドはさておき、流石のシンジ君も引き気味
です
チョコをかき混ぜるのにも全力、全てにおいて全力で!をモットー(最近全力がマイ
ブーム)なアスカさん
オレンジもびっくりの全力ぶりでチョコをかき混ぜた結果、飛び散る事林の如しに
なった訳です。

966 名前:名無しが氏んでも代わりはいるもの 投稿日:2007/02/14(水) 00:38:47 ID:???
「これじゃ加持さんに渡せるチョコが作れないの…協力してくれるかしら?」
「いいの?僕が手伝っても?アスカ前に『好きな人には手づくりチョコを渡すもの
よ!』って言ってたけど」
「そりゃ本当に好きな人には一から手作りのチョコを渡すわよ、…でも、コレを渡し
て加持さんが気に入るかしら?」

そう言ってアスカさんが出したのは箱に入った黒い物体、多分チョコレート

「何時間もかけて最終的にコレよ?ひどい見た目でしょ?黒いし」
「確かに黒いけど…問題なのは気持ちと味じゃない、かな・・・ハハ」
「じゃあ食べてみなさいよ、きっと見た目通りの味よ?さっき自分で食べたけど」
「あ、うん、じゃあいただきます」



967 名前:名無しが氏んでも代わりはいるもの 投稿日:2007/02/14(水) 00:40:31 ID:???
ひょいと摘むと口に放り込むシンジくん、アスカさんは真面目な顔で見ています

「むぐむぐ…………ん゛………ん?……うん、うん?…むぐむぐ」
「おいしくない、でしょ?」

少し諦め口調でアスカさんが問います、その間にもシンジ君は何かを確かめるように
次々と食べていきます

「う〜ん、おいしくなくない、と思うよ?うん、おいしい?のかな?うん、おいしい
よ」
「…どういう意味よ」
「えっと、確かに最初は苦いんだけど、後から甘みが出てきておいしいんだ。それで
何でかもう一個欲しくなってくるんだ、
 …正直言って普通のチョコとはちょっと違うけど…なんて言うか、僕にとってはお
いしいと言うか…ゴメン、参考にならないね」
「あ、そう…ふーん、へー、ふーん」
「お、思っただけだし…お、怒ってない?」
「いいえ、何も怒っておりませんことよ?碇シンジ様?」
「な、何でニコニコしてるの?何かちょっと怖いよ…?」

はいはい、と笑顔のまま片付けをするアスカさん、しばらくすると新たにチョコを作
る準備が整いました
シンジ君は引きつった顔のまま見ています。

「さあ、もう日付も変わっちゃったし早く作るわよ!明日は早くネルフに行くんだか
ら!」
「分かったよ、しょうがないなあアスカは…」
「しょうがないですってぇ!?そんな事を言うのはこの口かしら?」
「危ない!バターナイフ危ないよアスカ!」

968 名前:名無しが氏んでも代わりはいるもの 投稿日:2007/02/14(水) 00:42:26 ID:???
…そして14日の夕方
「と、いうわけで加持さんには好評でした!あ〜良かった〜…」
「ほぼ完全に僕の手作りだったけどね…」
「何故かバレちゃったんだけどね…ま、良しとしますか。ありがとね、シンジ」
「あ、うん、・・・それで、アスカ、あの・・・」
「何?」
「えと…その、チョコ、とか…は、無いの、かな?なんて、ハハ…」
「ハァ?あんたバカァ?」
「う、うう…いいや、うん…」

とぼとぼとした背中を見せるシンジくん、それに向けてアスカさんはこそりとこう言
いました。


「もうあげたじゃない、ばーか」