【LAS人】こんなアスカは大好きだ!12【専用】
444氏
- 444 名前:名無しが氏んでも代わりはいるもの 投稿日:2007/04/21(土) 17:40:51 ID:???
- 「シンジ、ちょっと寄っていくわよ」
そう言ってアスカが親指で差したのは、世界規模のチェーンを誇るファーストフード店。
少ないお小遣いの中からアスカに奢るための予算を捻出する僕にとっては、
80円のハンバーガーや100円のコーヒーはとっても助かる。ケンタッキーのオジサンだったら手が出ない。
「じゃあアタシは席とっておくから、メガマックね」
「・・・そんなの食べたら夕飯食べられなくなっちゃうよ」
「そんな心配、アンタがしなくても大丈夫よ。お腹空いているんだから、早くしなさい」
「体重計に喧嘩を売ることになるよ?」
「・・・アップルパイでいいわ」
あぶないあぶない。メガマックなんて頼まれたら予算オーバーだよ。
だいたいハンバーガー4個頼んだ方が安上がりだし、パンの枚数も多いのに。
「それにしても毎回ファーストフードなんだから。ちょっとは甲斐性見せなさいよ」
「ここに決めたのアスカだろ」
「アタシはアンタの惨めな財布の中身を心配してやってんの。感謝しなさい」
「なんで毎回僕が奢るんだよ・・・」
「レディーに奢るのは男の務めよ」
「レディーねぇ・・・」
そう言いながら僕はチョコパイを齧った。うん、ちょっと甘すぎるかな。
アスカが食べているアップルパイの方が美味しそうだ。
- 445 名前:名無しが氏んでも代わりはいるもの 投稿日:2007/04/21(土) 17:42:06 ID:???
- 「何よ、その不満げな口調は」
「何でもないよ。それよりそのアップルパイ半分くれない?」
「えっ!?」
「僕のチョコパイも食べていいからさ」
「えっ、えっ!?」
何故か顔を赤らめて驚くアスカだったけど、ゆっくり頷いたのを見て
僕はアスカの硬直した手からアップルパイを手に取った。
一口食べてみたらチョコパイより美味しく感じた。
「・・・あれ、アスカはアップルパイいらないの?」
「え、あっ、ああ今食べるわよ!」
ボーっとしていたアスカだったけど、僕が聞くと慌てて僕のアップルパイを口に運んだ。
口に入れる前に、何故かワンテンポ置いてたけど
「ちょっと甘すぎない?」
「・・・甘すぎね」
顔を真っ赤にしたアスカだったけど、僕はこのときようやくその理由に思い当たった。
「あっ、間接キス・・・・」
うっかり口にしたその言葉のおかげで、その日は随分と気まずい雰囲気の中で帰ることになった。
でもアスカがすっぽ向きながらも手を繋いでくれたので、ちょっと良かったかな。