【LAS人】こんなアスカは大好きだ!12【専用】
コップ
884 名前:名無しが氏んでも代わりはいるもの 投稿日:2007/06/23(土) 01:15:17 ID:???
出来心でくすねてしまったシンジきゅんの使用済みコップを前に一時間も悩むアスカさん

自分の部屋で、クッションに鎮座しているシンジのコップを前に
正座をしつつ腕をまっすぐ伸ばして膝に乗せ、顔を真っ赤にして思考中

このとき天性の才と弛まぬ努力によって得られた世界に誇る頭脳は
シンジきゅんとの初キスをまだ先が見ぬマウスツーマウスまで我慢するか
それともこのコップとの間接キスで済ませるかを考えるために全力稼働中

「あれ?ここにあったんだ、僕のコップ」
と部屋を訪ねたシンジによって、何もせずに回収されていくコップ

885 名前:名無しが氏んでも代わりはいるもの 投稿日:2007/06/23(土) 01:23:49 ID:???
>>884
「あれ?でもなんで僕のコップがアスカの部屋にあったんだろ?
ってちょっwwwアスカ?」
気が付くとアスカは顔を真っ赤にして目の焦点も合っていない有様で。
「ど、どうしたの?大丈夫?」
僕はとりあえず大慌てでアスカをベッドまで運んで、
氷枕を用意し、アスカを寝かせて熱を測る。
「ただの風邪だといいんだけど…」
ミサトさんに電話をしたら、心配してくれて今日は早く帰ると言ってくれた。

「アスカ?大丈夫?」
さっきからアスカは一言も発しない。それが余計に僕を不安にさせる。
「ちょっと薬探してくるから、待ってて。」
アスカの枕元から立ち上がろうとした瞬間、アスカの手が伸び、
僕の服の裾を掴んだ。
薄い羽毛布団の下から覗くアスカの目に、
僕はそのまま立ち上がることを諦め、彼女の手を握り返した。
そしてそのままミサトさんが帰ってくるまで、そうしていた。

886 名前:名無しが氏んでも代わりはいるもの 投稿日:2007/06/23(土) 01:38:26 ID:???
>>885
「これが…シンジの…」
そのコップには底の方にほんの僅かに麦茶の残りと、
縁にはうっすらとシンジが口を付けたと思われるリップクリームの跡。

我ながら何をしようとしたのか分からないが、
咄嗟に万引きでもするかのようにシンジのコップを手に取り部屋に戻る。
自分でも信じられないくらいに心拍数があがっている。
落ち着け、落ち着くのよアスカ…。
でも、そんな自分の気持ちとは裏腹に、視点はそのコップの一点に集中、
私の脳細胞はかつてない程の高回転で今後の展開をシミュレートする。
きっとこの時点での計算速度はMAGIにも負けなかったろう。
が、次の瞬間、ふいに襖が開けられ、そこにはシンジが。



887 名前:名無しが氏んでも代わりはいるもの 投稿日:2007/06/23(土) 01:39:36 ID:???
後の事はあまり覚えていない。瞬間的にフリーズした私の脳内は、
シナプスがキャパオーバーし、爆発寸前だった。
シンジが何か叫び、私を抱きかかえる。
抱きかかえる?ちょwww何してんのよ!
叫びたかったが、声も出ない。そしてそのままベッドへ。
一瞬あらぬ期待と不安と恐怖が交錯するが、シンジは踵を返し、
ほんの数秒後には氷枕を持ってきた。
抱きかかえられちゃったよぉ…。
ようやく脳の活動が僅かながらも再開した私は、その瞬間ばかりを反芻する。
私は顔だけでなく、おへその下あたりまで既に真っ赤になっていて、
足の裏だけが妙にひんやりとする。
え?何て言った今?
「薬探してくるから、待ってて。」
イヤだ。瞬間、その言葉が脳内に取り込まれるよりも早く、
脊髄反射で私の手がシンジの服を掴む。
驚いた顔で私を見下ろすシンジを私はまともに見返せない。
あああああ熱が上がる…。恥ずかしい…。
でもシンジはそのままふっと微笑み、
枕元に座り直して私の手を握ってくれた。
今はそれだけで最高に幸せだった。