【LAS人】こんなアスカは大好きだ!14【専用】
broken ◆zA4Cele172 氏
227 名前:broken ◆zA4Cele172 投稿日:2007/09/26(水) 15:21:27 ID:???
常夏の第三新東京市。
今日も強い陽射しがビル街に降り注いでいる。
そのビル街の中を歩く少女――惣流・アスカ・ラングレーは不意に足を止めた。
一瞬遅れて隣を歩く少年――碇シンジもその場に立ち止まる。

シンジ「…アスカ?どうしたの?」
アスカ「ねぇ、この音なに?」

言われて耳を澄ませば、雑踏の中でも幾重にも、
それでいて涼やかに響く玲瓏たる音色。

シンジ「ああ、風鈴の音だよ」
アスカ「フー…リン?何それ?」
シンジ「近くにいっぱい飾ってあるお店があるのかな、行ってみようか?」
アスカ「そうね、なんか興味がわいてきたわ」

音をたどって歩くこと数分、二人は音色の源と思しき店の前に着いた。
大手のインテリア店であろうか、広いフロアの一画に風鈴が並べられている。
華美なもの、瀟洒なもの、奇抜なもの――まさに多種多様といえた。

228 名前:broken ◆zA4Cele172 投稿日:2007/09/26(水) 15:23:28 ID:???
アスカ「わっ、すっごい数!」
シンジ「これが風鈴だよ。音で風と一緒に涼しさを感じとるんだ」
アスカ「音で?…ふーん、いわゆる日本情緒ってやつ?」
シンジ「ま、まあそうだね。年中夏だから僕もよくはわからないんだけど」
アスカ「でも結構いい音よね。それに綺麗だし、ねえシンジ、せっかくだから何か買っていこうか」
シンジ「そうだね。じゃあ…」
アスカ「シンジっ!これ買って!」
シンジ「ちょ、ちょっと、何で僕が…気に入ったなら自分で買えばいいだろ…」
抗議の声をあげるシンジに対し、差し出した赤い風鈴を胸元に寄せてつぶやくアスカ。

アスカ「…気に入ったからシンジに買って欲しいんじゃないの…」
シンジ「えっ…?」
アスカ「…何でもないわ!いいから買うのよ!」
シンジ「わ、わかったよ…もう、強引なんだから…」