【LAS人】こんなアスカは大好きだ!14【専用】
あの言葉
- 465 名前:名無しが氏んでも代わりはいるもの 投稿日:2007/10/08(月) 03:02:16 ID:???
- 彼女が『あの言葉』を言わなくなって、どれほどの時が過ぎただろう。
気がついたら僕は少しだけ背が伸び、いつの間にか彼女を見下ろしていた。
一度最悪な関係になった僕らだったけれど、三回くらい季節が変われば、いつの間にか元通り
ギスギスした関係も無くなり、前のように僕はバカにされ、彼女はいつも偉そうにしている。
僕はそれだけで満足だった、『また何時ものように僕をバカに』してくれるのだから、本当に愚かで、救いようもない僕を
「ったく!どーして男ってのはどーしようも無い奴ばっかなのかしら!…ちょっと、バカシンジ、聞いてるの?」
「ああ、うん、聞いてるよ、大変だったねアスカ」
「なぁーにが『お前もその気だったんだろ?』よ!!こっちはどう奢ってもらうかしか考えて無いってのに!」
「…それも、ちょっとどうかと思うけどね」
今日、アスカはデートだったようだ、相手はどこかのお金持ちの良い男だと聞いた。
何時もの事である、「最初にそっけなくしておいてデレるの、そしてデートで奢ってもらったら難癖つけてサヨナラ、ちょろいもんよ」と彼女の弁
いつかきっと罰が当たったりすると思う、多分。
「何よアンタ、何か元気ないわね。てゆーか最近ちょっとおかしいわよ」
「…そう、かな?普通だと思うけど」
「普通じゃないわよ、アンタ何時もネクラだけど、最近のはもやもやしたネクラだもん、悩みでもあるんじゃないの?」
確かに悩みはある、でもそれはもの凄く些細な事で、何でそんな事を今更悩んでいるのかというレベルだ
だから別に彼女に言うほどの事でもない、というか、言えない。
『あんたバカ?ってアスカが言ってくれないから何か調子が出ない』なんて、言ってしまったら酷い事を言われそうだから。
「ふーん、言うつもりないんだ、そっか。…ねえ、シンジ。ちょっと手を出して」
「手?はい、どうぞ」
「綺麗な手ね、爪もちゃんと切ってある。…じゃあ、アンタが悩み言わないとこの爪はがすから、OK?」
言わざるを得ない、爪は大事だから
「…プッ…クククッ、アハハッ、な、何よアンタ、そんな事で悩んでたの?心配して損したわ、…クッ…」
「…そんなに笑わないでよ」
「じゃあもう言わない。…って、そんなにショボンとしないでよ、フフッ、もう、本当に――」
「――アンタ、バカぁ?」