【LAS人】こんなアスカは大好きだ!15【専用】
ねえ、シンジ。遊ぼ?
964 名前:名無しが氏んでも代わりはいるもの 投稿日:2008/03/05(水) 21:26:12 ID:???
あの日、勝手に寄代にされて、目覚めたときには、一番会いたいと思い同時に、
一番会いたくないとも思った彼女と、永遠に明けない夜の浜辺に放り出されていた。
どうなる事かと、当時は目の前が真っ暗だった。けど、何がきっかけだったかは定か
ではないけれども、世界は再び動き始め、僕達は相変わらず一緒にいる。

「ねえ、シンジ。遊ぼ?」
「…」
「聞こえないフリしても無駄よ。ね、キモチイイ事して遊びましょ」
「…(負けちゃ駄目だ、負けちゃだめだ、まけちゃだめだ…)」
「無駄無駄、ほら、自分に正直になんなさい」
「ううっ」

あれから、色々あったけれども、結局、アタシ達は、保護という名の半軟禁状態で、
とある山中にある、ひなびた農村で暮らしている。空気と水が美味しいという事意外は、
特筆すべき事はないような所。あ、それと夜になると、星はあの砂浜並に綺麗かも
しれない。とりあえず、シンジいぢりをしている分には退屈じゃない生活ね。

「あう、あすか…」
「いいわねぇ、そーいう表情。たまんないわ。って、これ普通、男の台詞よね」
「もう、降参。ボクも頑張るよっ!」
「そうそう、人間素直が一番よ…あんっ」

「アスカ、アスカっ」
「んっ、ふあっ、あん、あんっ、あん、ばかシンジぃ」

青い空に流れる雲。蝉時雨と風鈴の音。農家のおじさんが軽トラックで土煙をあげ走ってゆく。
扇風機が回る部屋の中に、床が軋む音と、少女の域を脱しつつある女性の嬉声。
こと果てた際二人はいつか何処かで聞いた「生きていれば何処だって天国」という言葉を
思い出していた。

I need you 好きだという言葉。世界が再び動き始めた際に紡がれた、甘い甘い毒林檎。