【LAS人】こんなアスカは大好きだ!17【専用】
「好き、じゃないんだ」@故に真理氏
- 303 名前:故に真理 投稿日:2008/06/16(月) 18:40:46 ID:qkffCkLN
- 「僕、アスカの事、好きじゃないんだ」
「………そう」
23の夏、彼にそう言われた。
今、思い返してみれば、最近どこかすれ違ってた。
仕事が終わってもわたしが寝静まった頃に帰ってくる。休日もいつもどこか出掛けてていた。
薄々、そんな気はしていた。好きな人が出来たのか。彼の言うとおり、わたしのことなんか好きじゃなくなったのか。
わからない、わかりたくもない。
気丈に振る舞って、それでさよならにしよう。
なのに、声が掠れて出ない。涙が込み上げて、視界が見えない。
- 304 名前:故に真理 投稿日:2008/06/16(月) 18:41:37 ID:qkffCkLN
- 「好きじゃ、ないんだ」
分かってるのに、同じことを言う彼。でも、それでも愛おしくて愛おしくて。
「……これ」
「……なによ」
俯いたまま渡された箱。何? 最後にプレゼントってわけ? あんたらしいわね。
箱を開けてみると、そこにあったのは綺麗な指輪。
「これ……」
「仕事が終わった後とか、休日にさ、指輪探してたんだ。アスカに似合いそうなのがなかなかなくて……」
はにかんだ笑顔を私に向け、彼は私を見る。
- 305 名前:故に真理 投稿日:2008/06/16(月) 18:44:07 ID:qkffCkLN
- 「好き、じゃないんだ」
彼は、優しく、わたしに、わたしだけに微笑んで。
「愛してるんだ。アスカ」
そう言うと、彼はまた、俯いてしまった。真っ赤な顔で、照れながら。
「ばか、おおばかシンジ。遠回しな言い方しやがって」
「ごめん」
「わたし、勘違いしちゃったじゃないの」
「ごめん」
「このスレッド見てる人も、勘違いしちゃったじゃないの」「ごめん」
「わたしも、愛してる」
思いっきりダイブして。首根っこにしがみついて、彼にキスをしてやった。
いちばん、だいすきな、彼に。
長くてすませんでした。