【LAS人】こんなアスカは大好きだ!2【専用】
◆lZE468eq3o氏
- 68 名前: ◆lZE468eq3o 投稿日:04/05/18 19:51 ID:???
- ふと公園を訪れたアスシン。第三新東京市の数少ない憩いの場だけに、沢山の子供たちや老人たち(ゼーレではない)がいた。
「なかなかいいところじゃない」
「うん、そうだね。使徒が来ても、こういうところは失くしたくないね」
「ねえシンジ、あれ見てよ」
アスカが指さすさきには似顔絵描きがいた。
「描いてもらいましょうよ」
アスカに連れられるまま絵描きのところへ行くシンジ。アスカは二人で描いてもらうつもりだったが、一枚の絵に描けるのは一人までだというので、二人の絵描きにべつべつに描いてもらうことにした。
それぞれの似顔絵が完成した。どちらも本人そっくりの見事なできばえであった。
「ありがとうございます」
「じゃあ、帰ろっか」
目を輝かせているアスカ。同じくシンジ。しかし、帰宅したアスカの第一声は、
「なによこの絵、アタシがこんなブスなわけないじゃない」
驚いたシンジ。
「ちょっと、それはひどいと思うよ。一生懸命描いてくれたんだし、それにアスカだって喜んでたじゃないか」
「あれは、社交辞令よ。とにかく、アタシはその絵いらないから、アンタにやるわ」
「あっアスカ、待ってよ」
自室にこもってしまったアスカ。取り残されたシンジはアスカの絵を見る
(この絵、アスカはなにが不満なんだろう。捨てるのはもったいないし。それはそれで怒られそうだし)
「仕方ない。僕が持っていよう」
- 69 名前: ◆lZE468eq3o 投稿日:04/05/18 19:51 ID:c3LIVm9I
- それ以後、シンジは一人で部屋にいるときはアスカの似顔絵をマジマジと見つめていた。何度見てもアスカそっくりの見事な絵だ、この絵を罵倒したアスカ本人のセンスを疑いたくなる。
アスカの顔を見つめるようになってから二日後、いつものようにアスカを見つめていたところを惣流・アスカ・ラングレー本人が部屋に入ってきた。
「あら、それアタシの絵?」
「う、うん」
「よくみるとなかなかうまい絵じゃない。返して」
「そんな、勝手すぎるよ」
「別にいいじゃない。ほらっ」
シンジから絵を取り上げたアスカ。立てかけた絵のとなりに絵と同じポーズで並ぶ。
「どう?」
「どうって」
「どっちが本物かってこと。あともう絵は ア ン タ の も の でいいから」
絵と本人を並べてどっちが本物かなどしらける馬鹿馬鹿しい話である。しかし、アスカの言ったセリフの後半、「絵はアンタのもの」これがシンジの鼓動を激しくする。そしてシンジは指を指す。
「こっちが本物のアスカで、こっちが僕のものだよ。そうだよね、僕のアスカ」
シンジの指が指したアスカは何も言えない。「絵といわれたアスカ」が答える。
「そうよ」
- 141 名前: ◆lZE468eq3o 投稿日:04/05/26 20:49 ID:???
- シンジは目を覚ました。しかし、視界がやけに狭い。なぜだろう?そう思ったシンジだったが、答えはすぐにわかった。
「馬鹿シンジ、どうして起こしてくんなかったのよ。天才のアタシがお昼まで寝過ごすな・ん・・て。その目どうしたのよ」
「え、やっぱり何かへんかな?」
「腫れてるわよ、両目とも。目いぼかしら?」
「両目ともって、 後で眼科行くよ」
「その目で大丈夫?病院、ついて行ってあげようか?」
「できれば頼むよ」
シンジの目が悪いため、家事に時間がかかり病院へ行くのは四時ごろとなった。
「ごめんね、世話かけて」治療により、両目とも眼帯をつけたシンジ。
「いいわよ、一日ぐらい。けど明日の朝までそのままなんて、アンタも大変ね」
シンジを支えるアスカ。ミサトが出張でいないため、その日の家事はアスカ一人で行うことになる。
「はい、アーン」
「うん、おいしい」アスカがつくった夕食は欧風ハンバーグだった。シンジは自分がつくったものよりも美味しい。そう思った。
シンジは知らない、アスカと同じ箸を使っていることを。
- 142 名前: ◆lZE468eq3o 投稿日:04/05/26 20:50 ID:???
- 「シンジ、ちゃんとお風呂入りなさいよ。不潔だから」
「うっうん」(目が見えないとちょっとキツイな)
「・・・・・・・・いっしょに入りましょ。その目だと無理でしょ。背中流したげる」
「ええ、でも・・・」
「どうせアンタ見えないんでしょ。アンタが前隠してればいいわ」
「おやすみ」
「うん。ってまさかアスカもここで寝るの?」
「そうよ、じゃなきゃアンタ何もできないじゃん」
「・・・・・」
と混浴から添い寝までして介助をするぐらいだ。
翌朝
ちゅっ
「えっ、なっなに今の?ちゅって」
「何でもないの、気にしない気にしない。はいっ、目やにとってあげたわよ。目、開けてみて」
久しぶりに光を受けたシンジの瞳。それが最初に見たものは青い瞳。それが思いがけない近さにあり、光に目が慣れないせいもあってシンジの体は大きく後ろへ倒れた。そして青い瞳はそれを追いかけて、
ちゅっ
- 169 名前: ◆lZE468eq3o 投稿日:04/06/01 14:58 ID:???
- 「クスクス、いやーまさかシンジがアタシをデートに誘うなんてねぇ」
「あっいや、その・・ただ遊園地に行ってみたかっただけだよ。ホントだよ」
「はいはい、わかったからさっさといきましょう」
こうして僕はアスカと遊園地に行った。
実際僕はアスカとデートのつもりだなんだけど、照れくさいからあくまで遊びに行くだけということにしている。
けどバレバレだな。
駅について、切符を買うために財布を取り出そうとしたところでアスカの悲鳴が響いた。
「きゃぁ、何でないのよ!!」
「ええ、何か忘れたの?お金なら僕が出してもいいけど」
「違うの、もっと大事なものなの。取りに行ってくる!」
「あの、僕が取りに行こうか?何をもってくればいいの?」
「いいわ、アンタじゃどうせわかんないから。カバン持ってて。一人で行ったりしないでよ。ちゃんと席とっといて。それとアタシのカバンの中見ないで」
そう言うとアスカは返事も聞かずに猛スピードで駅舎から飛び出していった。
幸い、アスカがせかしたのとやけに歩くのが速かったのとで特急の発車まで二十分少々あった。
ギリギリだが、大急ぎで走れば間に合わないこともない。しかし、間に合ってくれないと困る。
次の電車に乗れないと時間的にキツイからだ。
「はぁ、(前途多難だな)」
僕はため息をついた。
ピリリリリリリリ・・・・・・・・・・・・・
プシュー、ゴトン
電車は出発した。アスカは何とか間に合い、僕の肩を枕にして寝ている。
酸欠で、目がまっくらになるぐらい無茶したわけだから無理もないね。
一体アスカは何を取りに帰ったんだろう。アスカが持ってきた手提げ袋はアスカが大事に抱えているので覗くことができない。
いいや。どうせ後でわかることだし。僕はアスカの肩に手を添えた。
- 170 名前: ◆lZE468eq3o 投稿日:04/06/01 15:00 ID:???
- 僕たちは目的地に着いた。
「さあいくわよシンジ」
さきの疲労困憊した姿がうそのように気合の入っているアスカ。
ジェットコースターやフライングカーペットなどの絶叫マシーンを一巡りしたあともケロリとしている。
それに引き換え、さっきのアスカみたいに疲れきってしまった僕。
それでも僕自身のテンションは下がらなかった。二人で並んで、本当に恋人みたいに歩けたから。
遊園地での時間はあっという間に過ぎていった。
「ねえ、もう遅いからそろそろ帰らない?」
「それもそうね。じゃあ最後にシメを」
「シメ?」
また絶叫マシーンかと思ったが、幸い大観覧車だった。
「かなり上まで来たね」
「そうだ、シンジ、これこれ♪」
「あっそれさっきの」
「これが大事なのよ」
手提げ袋の中から出てきたのはチョコレートだった。
「へへへ、実はアンタとの初デートでは手製のチョコレートをあげようって前から決めてたのよ」
「前からって?」
「ほら、とにかくありがたくいただきなさいよ」
そう言って、アスカは僕にチョコをひとつ差し出した。やけに大きくて分厚い、へんな形をしていた。
大きく口を開いてそれに噛み付いた。
「うわ?」
「キャハハハひっかかったぁ」
ウイスキーボンボンだった。知らずにかじったので中身が漏れて、僕の顔と服にベトリとついた。
「ほら、怒らない怒らない。ちゃんと拭いてあげるから」
アスカはハンカチをとりだして僕の服を掃除し始めた。
「ひょっとしてこれがやりたかったわけ」
「フフ、まだここが拭けてなかったわね」
アスカの唇が頬を拭いた。
観覧車は一周した。
- 208 名前: ◆lZE468eq3o 投稿日:04/06/09 17:13 ID:???
- 「きゃああぁぁぁぁ・・・・・・・」
ドタドタドタッ
「ちょっシンジ!来て!」
「なに?」
一体なんの騒ぎだろうか。最近疲れぎみのシンジはかなりめんどくさそうにアスカに聞いた。
「蜂よ蜂!アタシの部屋に蜂がいたのよ!」
「で、僕に退治しろと」
「そうう、早くしてよ。蜂なんかいたら安心して寝れないじゃない」
「はいはい」
恐る恐るアスカの部屋に入っていくシンジ。
「どこ?」
「あそこよ、カーテンのとこ。結構大きかったから、スズメバチかもしんない」
入り口で見守るアスカ。そういうことはもっと早く言うべきだ。
シンジはアスカの言う通りにカーテンに近づいていく。この部屋に入るのは久しぶりだ。見てはいけないようなものが散らかっている。
「ひとのプライバシー見ないでよ馬鹿」
ブツブツと文句を言いながら蜂を探すシンジ。しかしカーテンどころか部屋中探しても蜂は見つからなかった。
「ちょっとそれどういうことよ。失敗じゃない。この馬鹿」
「そういうアスカだって、自分で蜂ぐらい退治できただろう。いつも暴れまくってんだから」
「ぬわんですってぇ。とにかく今日はアンタの部屋つかうわよ。い〜いわねぇ」
「なんで僕が、僕はリビングで寝るなんてやだよ。アスカがそうしろよ」
「はぁ、なんでアンタリビングなんかで寝るわけ?アンタ自分の部屋普通に使えんじゃない。自分の部屋で寝りゃあいいじゃない」
「は・・僕の部屋アスカが使うって言ってんじゃな・・・・・・・・・・ん?」
結局蜂はいなかった模様
- 276 名前: ◆lZE468eq3o 投稿日:04/06/19 22:03 ID:???
- 〜♪♪〜〜♪
S-DATからのメロディーを楽しみつつ、シンジは読書をしていた。そこへアスカがやってきた。
「ふふん。ニィ」
シンジの右に並ぶように座ったアスカはシンジの右耳からイヤホンを奪い、自分の右耳にはめた。
(たく、アスカのやつ、自分ので聴けばばいいのに)
しぶしぶながらもアスカにイヤホンの半分の使用を沈黙で許可する。
プツッ
「じゃぁね〜♪」
曲が終わったとたんに自室に引っ込むアスカ
「・・・・・ちょっと顔が近すぎだったな」
右半身が過敏になったシンジだった。
- 277 名前: ◆lZE468eq3o 投稿日:04/06/19 22:04 ID:???
- 翌日
ソファのシンジの左側に自分のS-DATを聴いているアスカが座る。
ギュッ
「いたっ」
右耳のイヤホンをシンジの右耳にねじ込む。
それから数十分、何曲か聴き終えたシンジに右耳から流れた音はミュージックではなかった。
・・・・・・・・・シンジ・・すkプツッ・・・カチャ・・・
「「え?」」
二人が同時に口にした。
中途半端なところで録音に不具合が起こって尻尾切れになってしまったようだ(アスカはそれに驚き不機嫌な様子)
が、シンジにはアスカが何を言いたかったのかよく理解できた。
半端なせいで気まずいふいんき
「あのさぁアスカ、今のってさ・・・」
並んだまま訊くシンジ
「黙っておくように」
「はい」
「今度はシンジが聴かせてよ、チェロ弾いて」