【LAS人】こんなアスカは大好きだ!7【専用】
学LAS小ネタ
- 338 名前:学LAS小ネタ 投稿日:2005/05/16(月) 15:57:18 ID:???
- シンジが不良になっちゃった。と、思った。
窓のヘリに腰掛けて、ぼうっとタバコを吸っていた大バカシンジ。
アタシに気づいて、慌てて隠そうとしても、もう遅い。
取り上げて、ひっぱたいて、問い詰める。
「吸い始めたばっかりだよ」
「『何事も形からよ』ってよくミサト先生が言ってたから・・・」
シンジの釈明は、まるで答えになってない。
ショックだった。ちょっとだけ、涙目になってたかも知れない。
全然、似合わないわよ。
あたしの知らない間に、あたしの知らない「シンジ」になろうなんて―――許せない。
予想以上のこっちの剣幕に、シンジはびっくりして。
でもそれで観念したみたい。
そっぽ向いて、すねたみたいな表情で白状した。
「だって、アスカ・・・加持先生のこと、好きなんだろ?」
その言葉と、シンジの喫煙との繋がりを、あたしの脳はやたらゆっくりと理解して―――。
それからどうしたかは、秘密の中の秘密。
- 339 名前:学LAS小ネタA 投稿日:2005/05/16(月) 15:58:28 ID:???
- 朝からシンジの声がおかしい。
ひどいノド風邪の時になる、しゃがれた音。
でも、学校に来てからも声以外はまるで元気なわけで、だからつまり、相田の言う通りなのだろう。
『声変わり』。シンジも納得したみたいだ。
「どんな声になるのかなぁ」
ぼそっと呟くシンジは、ちょっと不安そう。
あたしも想う。どうなるんだろう。
一度ですっかり変わるんじゃなくて、何度かガラガラと復調を繰り返しながら、大人のそれに変わっていくんだって。
今のままでいいのに。今のシンジの声が好き。
―――でも、きっと、未来のシンジの声も好き。
なんてことは絶対に口に出来ないから、他に浮かんだことを言ってやった。「シンちゃんたら。まだ、あたしに腕相撲で勝てないお子ちゃまのくせに」。
「ああ、アスカ?! それ言わないでって言ったのに!」
うろたえてる、うろたえてる。そんなに恥ずかしいのか。
さっそく、皆が囃し立て始めた。
「嫁さんに負けるなんて、情けないぞ、碇」
「まったくや、センセ」
「仕方ないさ。碇はお子様だもんな・・・色々と」
「碇君、がんばってね」
「なんだよ! ケンスケなんて僕より腕相撲弱いじゃないかぁ!!」
で結局、そのままクラスで腕相撲大会に突入。
休み時間全部を費やして遊んだ。
以上。おわり。終了。
「まさか、惣流が優勝するとはのう・・・」
言うな、バカジャージ。
- 348 名前:学LAS小ネタB-1 投稿日:2005/05/20(金) 18:26:43 ID:???
- 午後の授業は退屈。
きっとシンジも退屈に違いない。よって、メールを送ってあげようと思う。
センセーショナルな話題はないけど、構いやしない。
どうでもいいけど、でも話したいかなって事を一杯書いて。さて送信。
待つ。
来た。
【ゴメン。終わってからにしてよ】
うわムカ。
バカシンジのくせに生意気。なーまーいーきーぃ!!
アタシは負けずに送信を繰り返すけど、あいつはまともに取り合わない。
・・・つまんない男ね。
【だって、授業中だよ?】
“だって”―――シンジのその返信を見て、真似るように・・・つい、だ。
つい、書いた。
【だって、構って欲しいんだもん】
書き終えた瞬間、音速より速く削除。頬がぼっと熱を持つ。
うぅ、こっ恥ずかしい!
ちょっと深呼吸しよう。すぅはぁ。
・・・ヒカリが、怪訝な顔でこっちを見ている。
気にしないで、と手でヒラヒラ合図。
- 349 名前:学LAS小ネタB-2 投稿日:2005/05/20(金) 18:31:16 ID:???
- 心を沈めて、書き直しに着手した。
【暇だから、ちょっとは構ってよ】
このくらいなら、正気のアタシの範囲だろう。
でも、まだ甘えが見える感はある。下手にでてる感じだ。
【構え!】
よし。これね。これが惣流・アスカ・ラングレーよね。
甘えてない。甘えてない。
納得したところで、いざ、送信。
アタシは、シンジの様子を伺ってみた。しばし。
あいつも、アタシを見る。ちょっと困ってる・・・かな?
シンジが、そっと両こぶしを握った。
胸の前に持ち上げて。えと、ボクシングの、ファイティングポーズ?
・・・・・・・・・構え?